ジャイナ寺院の彫刻！力強い線と繊細なディテールで織りなす「Tirthankara Mahavira」の世界

3世紀のインド、仏教が隆盛を極める時代。その影に隠れながらも、ジャイナ教というもう一つの宗教が存在していました。ジャイナ教は非暴力、真理探求、断欲などを重んじる思想で、その教えを広めるために壮大な寺院が建てられました。これらの寺院には、精緻な彫刻が施され、ジャイナ教の教えや信仰対象であるティールタンカラ（悟りを開いた者）の姿などが表現されています。

今回紹介するのは、3世紀に活躍したインドの芸術家、Falguによって制作された「Tirthankara Mahavira」という彫刻です。この作品は、ジャイナ教の最後のティールタンカラであり、その教えを体系化したマハヴィーラを表現しています。

力強い線と繊細なディテールで表現されるマハヴィーラの姿

「Tirthankara Mahavira」は、黒曜石製の彫刻で、高さ約1メートルあります。マハヴィーラは蓮華座に坐り、瞑想をしている様子が表現されています。彼の表情は穏やかで慈悲に満ちており、深い悟りを得た様子が伝わってきます。

彫刻全体は力強い線で構成されており、マハヴィーラの体躯や衣服のしわなどがリアルに表現されています。特に注目すべきは、マハヴィーラの顔の表情です。細かな皺や目の輝きなど、繊細なディテールが描き込まれており、まるで生きているかのような存在感を放っています。

ジャイナ教の教えを象徴するモチーフの数々

彫刻には、マハヴィーラの周囲に様々なモチーフが配置されています。

モチーフ	意味
蓮華座	純粋さ、悟りの象徴
法輪	仏法の教えを表す
三宝	右手には「知識」を、左手には「非暴力」と「真理」を象徴する三宝（宝石）が描かれています。

これらのモチーフは、ジャイナ教の教えやマハヴィーラの功績を象徴しています。

3世紀インド芸術の傑作！

「Tirthankara Mahavira」は、3世紀のインドで生まれた傑作です。力強い線と繊細なディテールによって、マハヴィーラの慈悲深い姿が生き生きと表現されています。また、彫刻に施された様々なモチーフは、ジャイナ教の教えを深く理解することができます。

この作品は、単なる彫刻ではなく、当時のインド社会や宗教観を反映する貴重な歴史資料でもあります。現在、「Tirthankara Mahavira」は、インドの国立博物館に所蔵されており、多くの観光客から愛されています。